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RPAは自治体、金融業、製造業など、業界業種を問わず、さまざまな組織や企業で導入が進んでおり、成果を上げています。しかし、RPAは万能ではありません。ここでは、導入に成功したケース、失敗したケースを見てみましょう。
2018年版中小企業白書の概要より:
事例2-4-18:株式会社ウェルクス
「自動化ツールの導入でコア業務への集中を可能とし売上拡大を実現した企業」
東京都台東区の株式会社ウェルクス(従業員262名、資本金1,200万円)は、保育士、栄養士の人材紹介等を手掛けている。保育士の人材紹介サービスには現職保育士の約1/5が登録していて業界トップシェアを占めている。
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求職者の希望条件を満たす施設の抽出作業は表計算ソフトで行っている。
抽出には数十項目の条件設定が必要であり、FAX送信1件につき5~15分程度の時間が掛かる。
この作業は事務員1名が行っていたが、単純かつ大量の定型作業にやりがいを見いだせず退職してしまった。代わりに三谷卓也社長が担当することになったが、1か月あたり約1,000件のFAX送信が発生し、業務の合間や退社後等も含め1日4時間以上対応するという深刻な負担になっていた。
こうした中で、RPA(Robotic Process Automation)ベンダーから、複数システムを連携して自動化できるとのDMを受け取った。FAX送信業務の自動化に利用できると直感し、すぐにベンダーに相談して導入を決めた。
開発者向けの詳細な要件定義等は不要であり、RPAの導入は一般的なITシステムより容易である。三谷社長は、従業員向けに作成していた業務マニュアルを1日でロボット向けに書き直してシステム会社に提供したのみである。投資負担も小さく、初期導入費用が30万円、ランニングコストが月数万円程度であった。
RPAの導入により、1件あたり平均10分の時間を要していた抽出作業は自動化された。単純な定型作業は、人間には単調で面倒でミスが発生しやすいが、RPAではミスが起きず作業の正確性が増す。「なにより社長としての業務時間が1日4時間確保でき、経営に時間を費やせるようになったことが大きい。」と三谷社長は語る。例えば、これまで時間を捻出できず見送っていた、各グループ責任者との定期ミーティングの実現等の効果があった。RPAの導入後、同社の売上高は2.5倍に増加している。「全てがRPAによる効果とは言えないが、人材採用が難しくなっている中でRPAによる自動化がなければこれだけの業務拡大は実現できなかった。」と三谷社長は語る。
RPAは単純だが作業量が膨大な業務で効果を得やすい。同社ではFAX送信業務への導入を皮切りとして、勤怠情報の修正業務、個人情報の削除処理業務等へとRPAの導入を広げている。今後は営業支援・顧客管理システムと会計システムとの連携等にも活用していく構想である。
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