メガソーラーの功罪

メガソーラーとは

メガソーラーとは・住宅用太陽光発電と発電の仕組みは同じですが、住宅の屋根の上に設置するのではなく、未利用の広大な土地などに設置する、大規模な発電容量を持った産業用の発電設備をいいます。・1メガワット(1MW＝1,000kW)以上の発電容量を持つため、設置するためには数ヘクタールの広大な土地が必要となります。

メガソーラーの基準は？

メガソーラーは、出力1MW以上（1,000kW以上）の太陽光発電設備を指します。太陽光発電の出力とは、発電量のことです。 1MWの発電量では、一般家庭200世帯以上の電力をまかなえるのが特徴です。メガソーラーとは、簡単に言うと、大規模な太陽光発電所のことです。

メガソーラーの特徴

大規模な発電容量: 一般家庭の屋根に設置される太陽光パネルと比べて、はるかに大きな発電能力を持っています。1メガワット（1MW）以上の発電量を持つことが一般的で、数百世帯分の電力を供給できる規模です。
広大な土地が必要: 大規模な発電を行うため、数ヘクタール以上の広大な土地が必要です。そのため、郊外の工業地帯や、利用されていない土地などに設置されることが多いです。
産業用電力: 主に企業や電力会社が、大量の電力を必要とする工場や施設に電力を供給するために利用されています。
再生可能エネルギー: 太陽光エネルギーを利用するため、化石燃料を消費せず、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーです。

メガソーラーのメリット・デメリット

	項目	内容
メリット	環境負荷の低減	化石燃料の消費を抑え、CO2排出量を削減することで、地球温暖化対策に貢献できます。
	エネルギーの安定供給	太陽光は無料のエネルギー源であり、枯渇する心配がありません。
	地域経済の活性化	メガソーラーの建設や運営によって、地域に雇用が生まれ、経済が活性化する可能性があります。
	電力料金の安定化	再生可能エネルギーの導入を進めることで、化石燃料価格の変動による電力料金の値上げを抑えることができます。
デメリット	自然環境への影響	広大な土地に太陽光パネルを設置するため、自然環境への影響が懸念されています。
	初期投資費用が高い	大規模な設備投資が必要となるため、初期費用が高額です。
	天候に左右される	太陽光発電は、日照条件によって発電量が大きく変動します。曇りや雨の日には発電量が低下します。

日本のメガソーラーの現状

日本のメガソーラーは、再生可能エネルギーへの関心の高まりとともに、ここ数年で大きく発展してきました。しかし、その一方で、いくつかの課題も抱えています。

日本のメガソーラーが置かれている状況

導入の加速: 政府の再生可能エネルギー導入目標を達成するため、メガソーラーの設置が積極的に進められています。特に、FIT（固定価格買取制度）の導入により、多くの事業者が参入し、太陽光発電の普及が加速しました。
中国企業の進出: 日本のメガソーラー市場には、コスト競争力のある中国企業が多数参入しています。これにより、日本のメーカーは厳しい競争にさらされています。
地域との共生: メガソーラーの設置は、地域住民との共生が求められています。景観への影響や、土地利用の変化など、地域住民との合意形成が重要となっています。
自然災害への対策: 日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。メガソーラーの耐震性や、災害時の復旧対策が求められています。

メガソーラーが招く「増災」

上記より抜粋
’50年までにカーボンニュートラル実現を目指す日本政府。温室効果ガスを実質ゼロにするために推し進める再生可能エネルギー事業だが、その裏側には深刻な課題が潜む。
　山梨大学名誉教授の鈴木猛康氏はこう警鐘を鳴らす。

「一番怖いのは、行きすぎた国土開発やエネルギー施策が大規模な自然災害を引き起こす“増災”のリスクが日本全国に広がっていることです。
各自治体はメガソーラー開発に関する規制条例を整備していますが、事例が少ないために法の穴を事業者に狙われて対策が間に合わない。林地開発許可は一度出ると取り消されることがほぼないのが現状。森林伐採や土地改変によって地下水が枯渇したという報告事例も少なくありません」
水資源を維持する森林の働きが破壊されれば、農業や漁業など我々の暮らし全般に直結する。さらに、メガソーラー開発は地球温暖化にも影響を与えていると指摘する。
「森林は二酸化炭素を吸収すると光合成をして、葉から水蒸気を蒸散することにより気温を下げています。一方、太陽光パネルは表面温度が70～80℃に達し、開発面積が大きいとヒートアイランド現象を起こします。
また、上昇気流により積乱雲が発生して集中豪雨を引き起こします。麓では土砂災害が発生し、都市の水害に繫がる危険もあります」

日本のメガソーラーが抱える課題

FIT制度の見直し: FIT制度の買取価格が段階的に引き下げられており、事業者の収益性が低下しています。
土地の確保: メガソーラーの設置には、広大な土地が必要となります。特に、都市部では、土地の確保が難しく、設置場所の確保が課題となっています。
系統連系: 大規模なメガソーラーからの電力を電力系統に接続するためには、系統強化が必要となる場合があります。系統連系の遅れが、メガソーラーの普及を妨げる要因となっています。
自然環境への影響: メガソーラーの設置は、周辺の生態系や景観に影響を与える可能性があります。環境アセスメントの厳格化や、自然環境への配慮が求められています。

右欄にあるように、日本のメガソーラーは、環境・自然破壊として、営利目的が横行しています。

現在の日本における再生エネルギー発電量は

メガソーラーによる「罪」が多く見受けられれるようです。再生エネルギー発電量は都道府県別、国内新エネルギー発電実績
（風力,太陽光,地熱,バイオマス,廃棄物）より現在の太陽光発電量は

2023年度エネルギー需給実績（速報）参考資料（PDF形式：856KB）PDFファイル

需要動向
- 最終エネルギー消費は前年度比3.0%減。うち都市ガスが4.1%減、石炭が4.0%減、石油が2.9%減、電力が2.5%減であった。
- 企業・事業所他部門は製造業の生産活動停滞などにより減少、家庭部門もテレワーク実施率の低下の影響などで減少、運輸部門は微減となった。
  - 最終エネルギー消費を部門別に見ると、企業・事業所他が3.5%減（うち製造業は3.7%減）、家庭が4.4%減、運輸が0.6%減（うち旅客が0.6%減、貨物が0.4%減）となった。
  - 電力消費は、企業・事業所他が2.5%減（うち製造業は2.9%減）、家庭が2.7%減となった。
供給動向
- 一次エネルギー国内供給は前年度比4.1%減。化石燃料が7.0％減の一方、非化石燃料は10.6％増となり、再生可能エネルギー（水力を含む）は11年連続で増加。
  - 化石燃料では、石炭が8.4%減、天然ガス・都市ガスが7.9%減、石油が5.5%減といずれも減少。非化石燃料では、原子力の51.2%増、太陽光発電がけん引する再生可能エネルギー（水力を除く）の5.5%増などで、非化石燃料シェアは25年ぶりの高位となる19.2%まで上昇。発電電力量は前年度比1.6%減（9,854億kWh）となり、2010年度以降で最小。非化石発電比率は、東日本大震災以降で初めて30％を超え、31.4%まで上昇。
- 発電電力量の構成は、再エネ（水力を含む）が22.9%（1.0%ポイント［%p］増）、原子力が8.5%（2.9%p増）、火力（バイオマスを除く）が68.6%（4.0%p減）。
エネルギー自給率（IEAベース）は、前年度比2.6%p増と東日本大震災以降で最高の15.2%。
小水力発電で水素を製造、国内初の実証が北海道でスタート

製造した水素は貯蔵・運搬し、温水プールに設置する東芝製の純水素燃料電池「H2Rex」、トヨタ自動車士別試験場で燃料電池自動車の燃料として利用する。小水力発電の電気を直接利用して水素を製造する実証事業は国内で初めてという。

「地球温暖化対策のための税」

再生可能エネルギーや省エネ対策を始めとするエネルギー起源ＣＯ２排出抑制対策を強化するために、平成24年度税制改正において「地球温暖化対策のための税」が創設されました。
日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは？（後編）～早期の社会実装を目指した取り組み

軽くて柔軟性に優れ、設置場所の大幅な拡大が期待できるペロブスカイト太陽電池は、製造工程が少なく低コスト化が見込める、主要材料であるヨウ素は日本が世界シェア第2位を占めるなど、将来性が期待できる技術です。政府も活用に向けた取り組みを後押ししており、「グリーンイノベーション（GI）基金」（令和2年度第3次補正予算にて国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構［NEDO］に造成した2兆円の基金）において、「次世代型太陽電池の開発プロジェクト」（498億円）を立ち上げ、2030年の社会実装を目指しています。国内初の竹を有効利用したORC熱電併給設備が完成

竹林の荒廃が進み各地域で課題となっている竹と、未利用資源として有効活用が課題となっているバーク（樹皮）を原料に熱と電気を作り出し、隣接する竹材の製品加工工場で最大限活用する。未利用エネルギーの有効活用と地域課題の解決を両立し、地域経済循環を活性化させるエネルギーシステムの構築を実現させる取り組みだ。

国内で初めて、小規模酪農家向けの乾式メタン発酵プラント（バイオガスプラント）を開発しました。このバイオガスプラントは、原料に半固形状の乳牛ふん尿を用い、メタンを約60％含むバイオガスを安定・効率的に発生させることができます。

国内初、洋上風力発電の余剰電力で水素を製造・利活用へ　調査事業を開始
木質バイオマスガス化発電におけるトマト農園への廃熱供給
J-クレジット制度の概要

「Jクレジット制度」とは様々な技術によって削減・吸収されたCO排出削減量を定められた方法論に従い適切に数値化し、国がクレジットとして認証をする制度です。このクレジットは売買が可能であり、創出されたクレジットは、温対法での活用やカーボンオフセット等に利用することができます。

駐車スペースで発電する「トモシエ」のソーラーカーポート。
再エネ100％の電車に乗って、環境にやさしい「スマートムーブ」しませんか？
農水省の概算要求、営農型太陽光など「再エネ推進」に6億7600万円計上

日本郵船が新たな協業　約50隻に省エネ装置導入へ船舶は、通常、水から受ける船体の抵抗や、流れの乱れが少なくなればなるほど省エネルギー運航が可能となるため、船舶用工業界や造船業界では船体に取り付けることで抵抗の軽減や流れの改善を可能とするさまざまな省エネ付加物の開発が進んでいます。一方で、個々の省エネ付加物の効果は製造した船舶用機器メーカーによって検証されているものの、異なる船舶用機器メーカーが製造した複数の省エネ付加物の相乗効果や、最適な組み合わせの検証が課題となっていました。
五洋建設、室蘭に再エネ100%工場　太陽光・水素活用

建設を進めていた室蘭製作所新工場が、このほど完成しましたのでお知らせいたします。新工場は、工場と事務所で使う電力を全て再生可能エネルギーでまかなう「再エネ100%工場」です。太陽光発電を主力に、燃料電池を用いて水素発電を行います。水素は副生水素に加え、太陽光発電の電力から水電解装置を用いて製造したグリーン水素も利用します。事務所棟は、断熱性を高めるなど省エネ性能を高めるとともに、使用電力を全て再エネでまかなうことでBELSのZEB認証を取得しました。

岩手大船渡メガソーラー施設の建設計画中止を発表

この施設は再生エネルギー発電施設の開発などを行う福岡市の企業「自然電力」が、大船渡市三陸町吉浜地区の大窪山にある、市が所有する牧場跡地などに建設を計画していたものです。

釧路湿原の“メガソーラー”事業者に工事中止を勧告北海道

林野庁は、全国の森林で太陽光発電施設の開発が相次ぐ中、3年前に法令を改正し、開発の要件を厳格化しています。

函南町軽井沢地区の約６５ヘクタールの土地に大規模な太陽光発電所を建設する計画をめぐっては、５年前に県が東京の事業者「ブルーキャピタルマネジメント」に対し、法律に基づく開発許可を出しましたが、計画書に不備があり、県が指導するなどしていました。また、この事業者が設置した太陽光パネルで発電した電気を販売することになっていた中部電力の子会社の「トーエネック」が去年、事業の開始が困難になったとして撤退したほか、地元の函南町は土砂崩れなどのおそれがあり住民の理解も得られていないとして建設計画に同意していませんでした。

メガソーラー設置、奈良県知事が「事実上の断念」　地元の反発強く同意の見通し立たず

当初は計約25万平方メートルの太陽光パネルを整備する想定だったが、基本構想案では、計約2100平方メートル規模に縮小する。太陽光発電は防災拠点の非常用電源として整備するが、県の試算で、規模を縮小しても電力を確保できるとした。当初は計約25万平方メートルの太陽光パネルを整備する想定だったが、基本構想案では、計約2100平方メートル規模に縮小する。太陽光発電は防災拠点の非常用電源として整備するが、県の試算で、規模を縮小しても電力を確保できるとしたが。

イタリア政権、農地での太陽光発電に「待った」

同政権は5月、農地での「地上設置型」ソーラーパネルを禁じる緊急政令を発布した。代わりに地上2.1メートル以上の高さでコストがかかる「営農型」ソーラーパネルの設置を義務付けることで、パネルの下にも作物を植えられるようにしようという計画だ。メローニ政権による農地の太陽光発電の規制は、下記の記事にもあるとおり地上設置型の太陽光発電のみを規制するもので、日本で言う営農型太陽光発電あるいはソーラーシェアリングの形で設置することを義務づけるものです。従って、農地を利用した太陽光発電を全て規制しているわけではないことに留意してください。 “同政権は、農地での「地上設置型」ソーラーパネルを禁じる緊急政令を発布した。代わりに地上2.1メートル以上の高さでコストがかかる「営農型」ソーラーパネルの設置を義務付けることで、パネルの下にも作物を植えられるようにしようという計画だ

太陽光発電の地域トラブルと調和・規制条例、今後の適正な促進に向けて

再⽣可能エネルギー発電設備の適正な導⼊及び管理のあり⽅に関する検討会より抜粋

1）⽇本の太陽光発電増加と地域トラブル報道案件数

報道からは2021年12⽉までで163件確認でき、今後も動向を注視する必要
⾃然災害の発⽣・景観・⽣活環境・⾃然保護などへの懸念が多い
⻑野県、⼭梨県、静岡県・三重県などに多い

2）自治体の規制・調和条例の分類と分布

太陽光の規制・調和条例は少なくとも145件確認、届出条例も30件
規制・調和条例は抑制・禁⽌区域の設定、届出と許可、協定など含む
静岡県、⻑野県、茨城県など地域トラブルが発⽣した地域の近隣市町村で導⼊される傾向が⾒られる

メガソ－ラ－による環境破壊

静岡県伊東市八幡野地区のメガソーラー建設計画は、2021年7月に市が改めて不許可としたことが発表されました。
税金70億円を投入した宮古島のメガソーラーが4年で終了した
宇久島の1/4をソーラーパネルの海にしてしまう
こんな事して森林環境税とか狂ってる pic.twitter.com/DliUka5aIt
— サキガケ (@nihonpatriot) March 20, 2025
全国で公害化するメガソ－ラ－　出現した黒い山、田んぼは埋まった
韓国財閥大手「ハンファ」関係者から関東経済産業局がヒアリング　静岡・伊東のメガソーラー建設で
メガソーラーに侵される阿蘇外輪山――ルポ・熊本県山都町を訪ねて　世界文化遺産登録を目指す雄大な草原にパネル20万枚　再エネのあるべき姿とは？
メガソーラーに侵される阿蘇外輪山（空撮）
電流変換装置が故障し枯れ草に引火　仙台・メガソーラー発電所の火事

再生可能エネルギーの固定価格買取制度

固定価格買取制度の仕組み: 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。電力会社が買い取る費用の一部を電気をご利用の皆様から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。この制度により、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます。
対象となる再生可能エネルギー: 「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」の5つのいずれかを使い、国が定める要件を満たす事業計画を策定し、その計画に基づいて新たに発電を始められる方が対象です。発電した電気は全量が買取対象になりますが、住宅の屋根に載せるような10kW未満の太陽光の場合やビル・工場の屋根に載せるような10～50kWの太陽光の場合は、自分で消費した後の余剰分が買取対象となります。。

2015年8月末時点における、再生可能エネルギー固定価格買取制度（FIT）に基づく小水力発電（出力1千kW未満）の新規設備認定容量は7万8549kWで、前年同月の3万5026kWに比べ、2.2倍という高い伸びを示しており、事業者の参入意欲が旺盛なことを裏付けている。
国内初の洋上風力発電設備が完成、高さ126メートルの風車が動き出す