フリーランスの実態:
本節では中小企業・小規模事業者といっても一括りにはできず、多種多様であることを見てきた。こうした中、新たな多様性をもたらす主体として、フリーランスの存在が注目されている。ここでは、内閣官房が2020年に実施した「フリーランス実態調査」を基に、フリーランスの実態について確認していく。まず、フリーランスとしての就業時間・就業日数について見たものが、下図である。1日当たりの就業時間は、「2時間以上4時間未満」、「4時間以上6時間未満」、「6時間以上8時間未満」と回答した者がそれぞれ2割程度となっており、その属性は分散していることが分かる。また、1か月当たりの就業日数についても、回答割合は各区分で1割から2割程度となっており、フリーランスとしての働き方は多様であることが見て取れる。
資料︓内閣官房⽇本経済再⽣総合事務局「フリーランス実態調査」
起業家の割合については、1997年から2012年にかけて、13.1%、18.6%、19.9%、20.2%と増加しており、その結果、起業希望者数が大きく減少している一方で、毎年一定数の起業家が一貫して誕生していることが分かる。また、兼業・副業として起業を検討している起業希望者、起業準備者(以下、それぞれ「兼業・副業としての起業希望者」、「兼業・副業としての起業準備者」という。)及び、兼業・副業として起業した起業家(以下、「兼業・副業としての起業家」という。)について見てみると、全体の起業希望者、起業準備者に占める、兼業・副業としての起業希望者、起業準備者の割合は2002年以
降それぞれ増加傾向にある(起業希望者全体に占める兼業・副業としての起業希望者の割合は、2002 年:31.7%、2007 年:41.6%、2012 年:44.7%となっている。