2024年中小企業・小規模企業 白書から

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2023年版 2022年版

2024年版中小企業白書・小規模企業白書では、第1部で能登半島地震の状況や、新型コロナウイルス感染症の影響と対応、中小企業の現状と直面する課題、今後の展望について、分析を行った。第2部では、環境変化に対応して成長する中小企業や売上げの確保などの経営課題に立ち向かう小規模事業者、そしてこれらの中小企業・小規模事業者を支える支援機関について、分析を行った。

2024年版中小企業白書・小規模企業白書概要より抜粋。
今年は第1章 令和6年能登半島地震の被災地域の状況 となっておりますが 能登半島地震については能登半島地震応援をご覧ください。

202年版4中小企業白書の概要

中小企業・小規模事業者の現状
2023年は、年末にかけて売上げの増加に一服感が見られたものの、中小企業の業況 判断DIは高水準で推移している。一方で原材料価格の上昇や人手不足の状況が見ら れている。
中小企業・小規模事業者が直面する課題と今後の展望
売上高が感染症による落ち込みから回復する一方で、企業の人手不足が深刻化。今 後、就業者数の増加が見込めない中で、日本の国際競争力を維持するためには、中小 企業の生産性の引上げが必要となっている。生産性の向上のためには、省力化投資や 単価の引上げを追求する必要がある。
第2部
環境変化に対応する中小企業 足下では、約9割の中小企業が投資行動に意欲的な経営方針を示している。企業 の成長には、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有 効。また、成長投資のための資金調達や、支援機関が果たす役割は重要であり支援体制の強化も必要である

第1部 令和5年度(2023年度)の中小企業の動向 第4章 中小企業・小規模事業者が直面する課題と今後の展望より

第1節 人手不足対応と持続的な賃上げ
人材を十分に確保できている企業では、働きやすい職場環境・制度 の整備が進んでいる様子がうかがえる(第1-3-9参考2図(再掲))。 そこで、本節では、中小企業・小規模事業者における賃金の動向、及び賃上げの動 向と取組状況を確認する。 人出不足
1.賃金・賃上げの動向
① 最低賃金 はじめに、足下の賃金及び賃上げの動向を見ていく。第1-4-1図は、厚生労働省「地 域別最低賃金の全国一覧」を基に、2023年度までの最低賃金の推移を見たものである。 これを見ると、2022 年度において全国加重平均で 961 円であった最低賃金は、2023 年10月に全国加重平均で43円、前年度比で4.5%の引上げが実施されたことにより、 2023 年度においては全国加重平均で 1,004 円となっている。最低賃金の引上げ幅は 過去最大を更新していることが分かる。 また、厚生労働省「令和5年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第2回)」 では、全国加重平均の最低賃金が2022年度に961円に引き上げられた際に、改正後 の最低賃金額を下回ることになる労働者の割合である影響率が19.2%と、2020 年度 の4.7%、2021年度の16.2%に比べて大幅に増加したことが示されている56。最低賃 金の引上げに伴い、賃上げを行う必要のある労働者層が増加していることから、雇用 の大部分を占める中小企業・小規模事業者において賃上げの必要性が高まっているこ とが示唆される。 人出不足
【コラム1-4-1 賃上げ促進税制】
  1. 背景 我が国経済は、30年余り続いたコストカット型の経済から、所得増と成長の好循環 による新たな経済へ移行する大きなチャンスを迎えており、このチャンスをつかみ取 るためには、物価上昇を上回る賃上げの実現が重要である。 令和5年の春闘においては、全体で3.58%、中小でも3.23%60と30年ぶりの高水 準の賃上げを実現した。この動きを一過性のものとせず、構造的・持続的な賃上げを 実現するため、「賃上げ促進税制」が強化されることとなった。
  2. 制度改正の概要 「賃上げ促進税制」とは、企業が賃上げを実施した場合に、賃上げ額の一部を法人 税(以下、個人事業主は所得税)から税額控除できる制度である。 今回改正された税制は、令和6年4月1日から令和9年3月31 日までの間に開始 する各事業年度が適用対象となる。改正により、最大税額控除率が、中小企業は45%、 大企業・中堅企業は35%となった(改正前は中小企業が40%、大企業は30% )。 賃上げ促進税制 その他、主な改正点は以下の5点である。
    1. 中小企業向けは、赤字企業などの賃上げ後押しに向け、前例のない長期とな る5年間の繰越控除措置を創設。
    2. 大企業向けは、より高い賃上げへのインセンティブ強化に向け、更に高い賃 上げ率の要件(5%、7%)を創設。
    3. 地域において賃上げと経済の好循環の担い手として期待される中堅企業向 けの新たな枠を創設。
    4. 雇用の「質」も上げる形での賃上げの促進に向け、 ・教育訓練費を増やす企業への上乗せ措置の要件を緩和。 ・子育てとの両立支援、女性活躍支援に積極的な企業への上乗せ措置を創設。
    5. 現行の賃上げ促進税制よりも長い3年間の措置期間とする。 なお、大企業向け及び中堅企業向け税制は、資本金に関係なく(中堅企業向けは従 業員数2,000 人以下の要件あり)、中小企業も利用可能であるため、各企業の実情に 応じて適切な税制を選択して活用することができる。 60 日本労働組合総連合会「春季生活闘争第7回(最終)回答集計(2023年7月3日集計・7月5 日公表)」
    第8節まとめ
    第4章では、中小企業・小規模事業者が直面している課題と今後の展望について、 分析を行った。
    売上高が感染症の落ち込みから回復する一方で、企業の人手不足が深刻化している。 構造的にも就業者数の増加が見込めない中で、企業は人手不足への対応を迫られてい る。こうした中で、人材を十分に確保できている企業では、働きやすい職場環境・制 度の整備が進んでおり、賃上げなどの人への投資が必要である。賃上げの動きを見る と、中小企業・小規模事業者でも賃上げの動きが浸透してきており、年には過去 最大の最低賃金引上げにもつながったことが分かった。しかしながら、業績改善が見 られない中で、人材採用強化や定着率向上のため防衛的に賃上げを実施し、収益が圧 迫されているという事業者も多く存在していることから、持続的な賃上げを実現する ためには原資確保に向けた取組の強化が重要であることを確認した。
    また、人手不足への対応策としては、こうした採用等の人材確保に加えて、生産性 向上に向けた省力化投資も必要である。人手不足対応の取組として、多くの企業で採 用活動が行われている一方、省力化投資を行っている企業は比較的少数で、中小企業 における省力化投資への取組は拡大の余地が大きい。
    加えて、生産性向上に向けては、販売する財・サービスの価格の視点も重要である。 バブル期以降、日本企業は低コスト化・数量増加の取組を続けており、この結果、売 上高や利益率は大企業が増加する一方、中小企業は発注側の売上原価低減の動きの中 で低迷している。今後は低コスト化・数量増加以上に、単価の引上げによる生産性の 向上も追求する必要があると考えられる。現状の企業間取引では、コスト増加分を十 分に転嫁できておらず、更なる賃上げにつながる価格転嫁を実現するためには、価格 協議の場を設けることや、原価構成を把握するなど価格交渉の事前準備等を通じて価 格交渉力を強化する必要があることを確認した。
    賃上げの動きを地方圏でも推進するためには、中小企業・小規模事業者の成長と地 域の少子化対策への貢献を同時に実現し、地方圏での良質な雇用の創出に向けた取組 を行うことが求められる。地方圏では、希望する仕事探しの困難さが東京圏からの若 者の移住を阻害し、また東京圏への転入を加速させる要因にもなっていることから、 賃金などの待遇面だけでなく、女性・若者・子育て世代に優しい働き方改革を進める ことが人材獲得における競争力を高め、人口流出の抑制にもつながることを示した。 このほか、付加価値向上の新たな手段として、気候変動やデジタル化などの社会環 境の変化を踏まえて需要を獲得し、業績向上につなげるための脱炭素化・や取組を分析した。脱炭素化・ のについては、社会的要求の高まりを受けて取組企業は 年々増加しているものの、業績向上を意図して取り組む企業は少なく、取組段階を進 展させてより確実に効果を得られるようにするには、支援機関への相談も活用しなが ら進めることが有効であることを確認した。また、については、現状は業務効率化 やコスト削減を目的としている企業が多いが、新規事業創出や付加価値向上を実現し、 自社の成長にもつながり得る手段であることを示した。

環境変化に対応する中小企業

第1部では、中小企業・小規模事業者の現状と中小企業・小規模事業者が直面する 課題、今後の展望について概観した。中小企業の業況判断DIは約30年ぶりの高水準 に回復、設備投資が伸びている兆候が見られ、投資意欲が拡大しつつある一方で、企 業の人手不足が深刻化しており、構造的にも就業者数の増加が見込めない中で、日本 の国際競争力を維持するためには、中小企業の生産性の引上げが必要であることを確 認した。
第2部では、こうした環境変化を乗り越え、経営資源を確保して生産性の向上につ なげていくための取組や、成長につながり得る投資行動について焦点を当てた分析を 行っていく。足下では、約9割の中小企業が投資行動に意欲的な経営方針を示してい る。刻々と変化する外部環境に対応するためには、小さな取組でも行動していく姿勢 が、経営にとっても良い効果を与えるものと考えられる。 第1章では、中小企業が直面する大きな供給制約である人手不足を乗り越えるため の人への投資や省力化投資等の取組に着目し、有効な取組事例も確認しながら分析を 行う。

【コラム2-1-1 中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン】
中小企業の経営課題の背景には、必要な人材を十分に確保できないなど、人材の課 題が潜んでいることが少なくない。そのような人材課題を解決するためには、経営戦 略と人材戦略を一体的に推進することが重要である。
中小企業庁では、経営・人材戦略、労働市場に精通する有識者をメンバーとする検 討会を開催し、日々の経営課題の背景にある人材課題の解消のために、経営者が取り 組むべき人材活用策のポイントや、利用できる支援策を整理した「中小企業・小規模 事業者人材活用ガイドライン」を2023年6月に公表した。 本ガイドラインは、人材戦略の検討を3ステップで整理し、支援機関が中小企業に 伴走しながら、人材活用に関する課題解決を目指す際に活用することを想定している。
<コラム2-1-1①図 人材戦略の検討における3ステップ> 人材戦略 第2章では、人材と並んで重要な経営資源である資金について、中小企業における 主な調達手段である金融機関借入れと、それに付随する金融機関からの経営支援につ いて分析を行う。加えて、成長投資のための資金調達手段として、エクイティ・ファ イナンスの活用についても、中小企業における活用のメリット等を確認する。 金融機関は、中小企業の成長投資における、資金供給において大きな役割を担っていることを確認した。また、単なる資金供給にとどまらず、 企業の投資計画の策定に関与することで、投資効果を高め得る可能性も示唆された。さらに、資金面だけでは解決できない多様な経営課題を解決するため、様々な経営支援に取り組んでいることも分かった。特に、金融機関と定期的なコミュニケーション を図っている企業ほど経営支援による効果を強く感じていることを確認し、自社の経営状況や課題などを金融機関と共有することの重要性を示唆した。
【コラム2-2-1 ローカルベンチマークの活用】
ローカルベンチマーク(以下、「ロカベン」という。)は、いわゆる「企業の健康診 断」であり、企業の経営状態を把握するためのツールである。企業の経営者と金融機 関・支援機関等が対話をしながら「ローカルベンチマーク・シート」を作成・活用す ることで、企業の経営改善等を目指すものであり、「6つの指標30」による財務情報に 加えて、「業務フロー」、「商流」、「4つの視点31」による非財務情報によって企業の抱 える課題や強みを把握できる点が特徴である。 2023 年4月には、ロカベンの記入事例や解説、対話例などを盛り込んだ作成ガイド である「ローカルベンチマーク・ガイドブック」を改定し、SDGsやDXへの取組事例 等を追加した。SDGsやDXといった取組についてもロカベンを通じて整理・共有する ことで、ステークホルダーに対し、自社の目指す方向性を説明することが可能になる。 <コラム 2-2-1①図 SDGs・DX への取組にも対応した「ローカルベンチマーク・ガイドブック」(業務フロー部分の解説)> ローカルベンチマーク ロカベンの活用は、企業の経営者が自社の事業について理解を深めることができるだけでなく、金融機関・支援機関等とともに経営課題を解決し、新事業の展開に向けて踏み出すことにもつながると考えられる。

第3章では、飛躍的な成長に向けた挑戦的な投資行動を扱う。企業の成長に向けて は、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有効であることが考えられ、 こうした投資行動により期待される効果について分析を行う。
3.成長を牽引する経営人材の裾野の拡大
ローカルベンチマーク


第4章では、支援機関の現状や課題について分析する。中小企業が人材や資金など の経営資源を確保していくための取組や成長に向けた取組を行っていくに当たって、 経営課題によっては単独で取り組んでいくことが難しい可能性もあることから、中小 企業の取組を支援する支援機関の役割は引き続き重要であると考えられる。また、支 援機関においても、多様化する中小企業の経営課題への対応を求められる中で課題を 抱えている可能性があり、支援機関がこうした課題を乗り越えるための取組について の分析も行う。
伴走支援ガイドライン
伴走支援の基本理念や具体的な支援の進め方、留意点等を実際の支援事例や効果的 なノウハウを含めて取りまとめ、 「伴走支援ガイドライン」として、支援機関向けに 2023 年6月に公表した。ここでは、伴走支援について、「経営者等との対話と傾聴を 通じて、事業者の本質的課題に対する経営者の気付き・腹落ちを促すことにより内発 的動機付けを行い、事業者の能動的行動・潜在力を引き出し、事業者の自己変革・自 走化を目指す支援方法」と定義している。 伴走支援ガイドライン

以下は前年の白書より

  1. 中小企業のデジタル化の取組状況
    中小企業白書(2022)では、経済産業省「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 ; レポート2(中間とりまとめ)」や内閣府「経済財政白書」、経済産業省「DX推進指標」、のフレームワークを基に、デジタル化の取組状況を四つの段階に分けて、取組段階を確認している。(株)野村総合研究所が実施した「事業者アンケート調査」においても、調査対象企業の取組段階を確認しており、本白書では、この取組段階を活用して分析を進めていくこととする。各段階は
    1. 紙や口頭による業務が中心で、デジタル化が図られていない状態(段階1)
    2. アナログな状況からデジタルツールを利用した業務環境に移行している状態(段階2)、
    3. デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態(段階3)、
    4. デジタル化によるビジネスモデルの変革や競争力強化に取り組んでいる状態(段階4)に大別されている 2023年受注量
  2. 中小企業のデジタル化のきっかけ ここからは、中小企業のデジタル化のきっかけについて確認していく。
    1. 中小企業がデジタル化に取り組んだきっかけ まず、中小企業がデジタル化に取り組んだきっかけを従業員規模別に確認したものが下図である。これを見ると、従業員規模が 20人以下の企業においては、「支援機関等からの推奨」が最も多いとともに、「取引先からのデジタル化の対応要請」が 続いており、社内よりも社外からの要請などをきっかけとしている企業の割合が高い傾向にあることが分かる。一方で、従業員規模が 21 人以上の企業においては、「取引先からのデジタル化の対応要請」などをきっかけとしている企業も一定数存在しているが、「社内からのデジタル化に対する要望」が最も多く、社内の従業員等からの提案や要望などがきっかけとなっている様子がうかがえる。 2023年デジタル化のきっかけ

中小企業・小規模企業白書から「IT」という文字は消えました

ITは使用して当たり前、最近はAI・IOTという利用方法も出てきましたが、中小企業・小規模企業においては、会計処理をやっと導入するという感じを持っています。昨年は 間接業務の(「財務・会計」、在庫管理」、「給与管理・勤怠管理」、「受発注」、「顧客管理」)IT利用についてまとめられていましたが、中小企業白書では、第3部・第1章・第1節 3つの経済・社会の構造変化における「デジタル化」において、状況説明をしていますが、小規模企業白書においては触れていません。
小規模企業がIT化行う手掛かりは右側の 「情報処理を理解する」から適宜なページを御覧下さい。

インボイス制度と電子帳簿保存法

インボイス制度と電子帳簿保存法

インボイス制度対応業者になりますか

「インボイス制度」の対応方法 インボイス制度判断

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法の対応方法 小規模事業者(2年前の売上が1,000万円以下)には猶予ではなく恒久的な救済措置があります。具体的には以下の2点です。

  1. ファイルが検索できる形でなくてもよい
  2. 事務処理規定を備えておけば電子データをそのまま保存しておくだけでよい(スタンプやシステム不要)

1.2.を行うには、 フォルダーによる方法が簡単です。 手書き伝票をデジタル化については、EXCEL伝票作成します・売りますをご覧ください。

手書き伝票をデジタル化用のお手伝いをします、下さい。


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